「ここが差か......」中村俊輔が感じた日本と強豪国の違い。世界との距離感は「今が一番、難しいところ」 (2ページ目)
でも、もう少し工夫して突っ込む時と、外から上がってきた選手を使う時があってもよかったと思う。酒井(宏樹)君が右サイドを上がってきて、待っていることが何回もあった。うまく使えればよかったよね。それがうまいのがメキシコとスペイン。ここが差か......というのがわかったと思う」
中村自身、世界との距離感を知らしめられたことが、サッカーを追求する原動力のひとつになっている。
2002年日韓W杯の日本代表メンバーから土壇場で外れ、自身をレベルアップさせようとイタリアのレッジーナに新天地を求めた。それからスコットランドのセルティックで経験を重ね、迎えた2006年W杯ドイツ大会。グループリーグ最後のブラジル戦で、世界トップに猛烈な差を見せつけられた。
「レベルが全然違うなって感じて、『ブラジルはサッカーが染みついている』という言葉を使った。とにかく引き出しが多かったから。東京オリンピックの日本代表も、そんなことを感じたんじゃないかな」
1993年のJリーグ誕生以降、日本サッカーは急速に成長してきた。それはW杯で3回達成したベスト16という結果に表れているだろう。
一方、W杯の常連となったなか、どうしても越えられない壁がある。昨年には世界とJリーグの差について内田篤人(元鹿島アントラーズ)が引退会見で口にし、酒井高徳(ヴィッセル神戸)のインタビューも話題になった。それ以前には、2015年から2018年まで日本代表を率いたヴァイッド・ハリルホジッチは選手たちに"デュエル"を強く求めている。
果たして中村の目に、世界との距離感はどう見えているのか。
「まず、日本代表とJリーグは違うからね。ましてや今、代表は海外組がほとんどだし。そのなかで日本代表の選手たちは海外の考え方をわかってきたと思う。たとえばデュエルも、ボールをずっと持っていれば関係ないし。チームで相手をハメてパスカットすれば、デュエルは関係ないしね。
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