セルティックの先輩・中村俊輔が古橋亨梧に助言。「もっとプレーしやすくなる」と考えた理由とは?
中村俊輔(横浜FC)インタビュー@前編
今夏、スコットランドの名門セルティックに移籍したFW古橋亨梧の評価がうなぎ登りだ。
本拠地デビュー戦となった8月8日のダンディー戦でハットトリックを記録すると、15日にはリーグカップのハーツ戦で1得点を含め全3ゴールに絡む活躍。18日のヨーロッパリーグのプレーオフラウンド、AZ戦では先制点を決めた。移籍後の公式戦6試合で6ゴールと、これ以上ない好スタートを切った。
名門セルティックで大ブレイク中の古橋亨梧この記事に関連する写真を見る「何かあるたび、向こうのメディアは俺と比べると思う。だから、『楽しんで』って伝えた。でも、もうラーションと比較されているからね(笑)」
そう話したのは2000年代後半、グラスゴーで"伝説"となった中村俊輔(横浜FC)だ。
古橋はJリーグの試合で顔を合わせるたびに中村の下へ挨拶に来ていて、セルティック移籍が決まった直後、ヴィッセル神戸のDF大﨑玲央、大宮アルディージャのGK南雄太を経由してLINEでつながった。そうした縁で、中村はセルティックの後輩にアドバイスを送った。
「これまで中村俊輔、中田英寿、本田圭佑などと比べられてきました。3人とも偉大な選手で、日本ではレジェンドです。でも、歴史に自分の名前を刻みたい。新しい"誰か"にはなりたくない」
古橋は入団会見でこう話したが(『サン』紙が伝えたコメントを翻訳)、セルティックに加入した外国人選手にとって、過去に在籍した名選手と比べられるのは"宿命"とも言える。スコットランドメディアはとにかく、歴史を持ち出すのが好きなのだ。
ましてや古橋は、「the land of the rising sun(日出る国)」からやってきた選手である。10年以上前、欧州チャンピオンズリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦で2本のFKを決めて決勝トーナメント進出の立役者となった中村の衝撃はそれほど大きく、加えて移籍時の状況が似ているのだ。
セルティックは史上初の10連覇を狙った昨季、レンジャーズにリーグタイトルを奪われた。CLの舞台には過去3シーズン遠ざかっている。中村が加入した当時も、力関係で言えばレンジャーズがやや上回っていた。
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