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J1リーグ、新外国人選手たちの明と暗。シーズン折り返しでその実力が見えてきた (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 また、第17節の仙台戦でフリーキックからハイレベルなヘディングシュートを決めると、アジアチャンピオンズリーグ初戦でもコーナーキックからヘッドを突き刺すなど、試合を重ねるごとにパフォーマンスが向上。今後も、今年1月に中国に去ったマテイ・ヨニッチの穴を埋めるに十分な戦力となりそうだ。

 一方、加入前の期待になかなか応えきれていない新外国人選手もいる。とくに今季はその傾向が強く、むしろフィットできていない選手の方が圧倒的に多いのが現状だ。

 そのなかでも、推定3億円とも言われる移籍金で獲得したヴィッセル神戸のブラジル人FWリンコンは、その典型的なケースと言えるだろう。

 4月4日に来日したリンコンは、第11節の鹿島アントラーズ戦(4月24日)の後半途中にJリーグデビュー。その後、3試合で途中出場し、第15節の浦和戦(5月22日)に初スタメンを飾った。ところが、その試合で全治12週間の負傷をするという不運に見舞われ、ここまでは期待とは程遠い出来に終わっている。

 もっとも、ブラジルの世代別代表で実績を残したキャリアを持つリンコンだが、ここ数年は所属クラブで出場機会に恵まれていなかった事情もあり、トップフォームに戻るまでには時間を要することは想定内。そういう意味では、リハビリも含め、時間をかけてチームに馴染むことが活躍への第一歩となるはずだ。

 降格圏内に低迷する柏では、今季新たに獲得した4人のブラジル人が低調だ。そのなかでも、オルンガの抜けた穴を埋める新得点源として期待されたFWペドロ・ハウルが、ここまで2試合の途中出場、出場時間はわずか39分と、なかなかフィットできずに苦しんでいる。同じくDFエメルソン・サントスもリーグ戦・途中出場2試合と苦しんでおり、彼ら助っ人の出来不出来が成績浮上のカギとなりそうだ。

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