イニエスタは日本サッカー界に何をもたらしたのか。古橋亨梧や子どもたちも変わった
■ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタが、戦列復帰してからコンディションも上がり、すばらしいプレーを見せている。チームと2年契約を延長し、まだまだ日本サッカーは多くのことを学べるはずだ。福田正博氏に改めてイニエスタのすごさを解説してもらった。
コンディションが上がり、好プレーを続けるイニエスタ アンドレス・イニエスタが先日、37歳の誕生日だった5月11日にヴィッセル神戸との契約を2年延長した。
2023シーズン末までプレーすることになったが、これは神戸サポーターにとどまらず、日本サッカー界全体にとってもうれしいニュースになったと思う。それはイニエスタほど世界に向けてJリーグを発信できる存在はいないからだ。
イニエスタが神戸に加わったのは2018年。ロシアW杯終了後からJリーグでプレーしている。1年目はリーグ戦14試合で3ゴール。2年目はリーグ戦23試合で6得点を挙げ、天皇杯では優勝に導いてクラブに初めてのタイトルをもたらした。2020年はリーグ戦26試合で4得点を挙げたほか、ACLでも6試合2得点でベスト4進出を支えた。
今季はそのACLで悪化させた右太ももの怪我の影響もあって出遅れていたが、5月1日のJ1第12節のサンフレッチェ広島戦で復帰。コンディションの上がってきた第15節の浦和レッズ戦以降は、スタメンフル出場する試合が多くなっている。
イニエスタが神戸に加わってからの3シーズンを振り返ってみると、彼自身のクオリティーの高いプレー、判断の速さ、視野の広さなどには唸らされるばかりだった。
改めて思い知らされたのが、ボールを受けた後を想定した準備が大事だということ。ボールを受ける前にしっかり準備をしているからこそ、パスをもらった後に観客を魅了するトラップやパスやシュートが可能になるのだ。
また、周りの選手に好影響をたくさん与えてきたのも、実にイニエスタらしいと思う。彼と一緒にプレーして刺激を受けることで、多くの日本選手が進化してきた。
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