J1リーグ、新外国人選手たちの明と暗。シーズン折り返しでその実力が見えてきた

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 王者川崎フロンターレの独走態勢が続く今季のJ1リーグ。折り返し地点となる第19節を終えて、早くも各チームの明暗が分かれてきたが、同じように、活躍が期待されて加入した新外国人選手の中にも「当たり」と「期待ハズレ」が見え始めてきた。

 とりわけ、今季はコロナ禍の影響で来日スケジュールが大幅にずれ込み、ほとんどの選手がシーズン開幕後に合流。初めて日本でプレーする彼らにとっては、コンディション調整をはじめ、チーム戦術にフィットするためのプレシーズンキャンプに参加できなかったことも、大きなハンデとなった。

来日早々ゴールを量産している浦和のユンカー来日早々ゴールを量産している浦和のユンカーこの記事に関連する写真を見る にもかかわらず、そんなハンデをものともせずに、合流間もなく華々しい活躍を見せている助っ人外国人選手もいる。その筆頭と言えるのが、浦和レッズのデンマーク人FWキャスパー・ユンカーだ。

 4月11日に来日したユンカーが、14日間の隔離を経てチームに合流したのは26日のこと。そして5月5日のルヴァンカップでスタメン出場を果たすと、さっそく開始9分に汰木康也からのスルーパスをディフェンスラインの背後に抜け出して受け、先制ゴールをゲット。合流からわずか10日で、本格派ストライカーとしての実力の片鱗を見せた。

 さらに、その4日後に行なわれたベガルタ仙台戦(第13節)でリーグ戦デビューを飾ったユンカーは、後半58分に先制点をマークするなど勝利に貢献。以降もその勢いは止まらず、ここまでリーグ戦では4戦連発を含む計7ゴールを叩き出すなど、申し分のないパフォーマンスを続けている。

 たしかにユンカーのゴールマシンぶりについては、加入前から折り紙付きではあった。昨年のノルウェーリーグで27ゴールをマークして得点王を獲得し、FKポデ/グリムトのリーグ初タイトルの立役者となったことがその証だ。しかし、サッカーはもちろん、生活スタイルまで大きく異なる日本において、これほど早く順応した助っ人は過去にもそれほど多くいない。

 指揮を執るリカルド・ロドリゲス監督も、「(彼は)適切なタイミングで顔を出しフィニッシュまで持っていける選手。新加入選手がチームに入ると順応する時間が必要だが、ディフェンスでも求めていることを十分やってくれた。これからさらによくなると思う」とコメントするなど、今後の活躍ぶりに期待を寄せる。

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