U-24代表でも注目のフロンターレ旗手怜央。「頭の中がぐちゃぐちゃ」からSB挑戦で新境地 (5ページ目)
アキさんは、時間を作れて、時間を止められる。まさにチームに落ち着きを与えられる選手。そこに加えて、自分のオリジナリティを出すことができたらと思っています」
旗手が挙げたのは、まさに相手にとって怖い、脅威を与えるふたりだった。旗手が今シーズン、自分に課している平常心も、家長から学び、指標としている部分でもある。
「これは昨季のことですが、その試合、アキさんは先発で、僕はベンチだったんです。その試合前のウォーミングアップの時に、僕は残ってピッチでボールを蹴っていたんです。それなのにアキさんはわざわざ近くまで来てくれて、『怜央! 公式戦なんて練習試合くらいの気持ちでプレーすればいいんだ。そんなに意気込まなくていいんだからな』って言ってくれたんです。
アキさんは、僕が空回りしているのがわかっていたんでしょうね。試合前なのにわざわざ、そう言ってくれた。その言葉を聞いて、公式戦といえども、いつもどおりやろうというか、練習と同じ感覚で試合をしようと思うようになって、それが今の自分につながっているんです」
◆中村憲剛と佐藤寿人に聞いた「増加する若手の海外移籍」どう思う?>>
目指す頂きは高いところにある。それが旗手を成長させているのだろう。今ではポジションにこだわりはなくなったという。それは言い換えれば、どこで出ても自分のよさが出せる自信の表れでもある。
それは川崎であっても、U−24日本代表であっても変わらない。その姿勢が、旗手をまた成長させる。うまい選手ではなく、怖い選手に----。
フロンターレの次世代を担う三笘薫と旗手怜央
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