2021.06.03

U-24代表でも注目のフロンターレ旗手怜央。「頭の中がぐちゃぐちゃ」からSB挑戦で新境地

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

旗手怜央(川崎フロンターレ)インタビュー

 サッカーの名門・静岡学園高校から順天堂大学に進学し、初年度にルーキーながら新人王を獲得。2019年にはU−22日本代表に選出され、トゥーロン国際やブラジル遠征を経験した。2020年の川崎フロンターレ入団後も、厚い選手層の中で存在感をアピール。現在23歳の旗手怜央(はたて・れお)は今、勢いに乗っている若手のひとりだ。U−24日本代表でも注目を集める「レオ」に近況を聞いた。

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SBに抜擢されて新たな能力を開花させた旗手怜央SBに抜擢されて新たな能力を開花させた旗手怜央 この記事に関連する写真を見る  新境地を切り開く契機は、本来とは異なるポジションに挑戦したことだった。

「今まで見えなかった景色が見えてきている感覚はあります」

 今シーズンもJ1の首位をひた走る昨季王者・川崎フロンターレで躍動しているのは、三笘薫や田中碧だけではない。プロ2年目を迎える旗手怜央の言葉は力強かった。

 FW登録ながらも、時にはインサイドハーフ、時にはウイング、時にはサイドバック(SB)と、複数のポジションでプレーする旗手の貢献は多岐にわたる。攻撃、守備、そして運動量......まさに一家に一台ならぬ、チームにひとりいると助かる存在へと台頭している。

「自分にとってSBでプレーしたことが大きかったんです。SBは自分から声をかけて、インサイドハーフやウイングの選手を動かさなければいけない。それによってインサイドハーフに戻った時、センターフォワードやアンカーの選手にも声をかけられるようになりました。

 なによりチームメイトに指示を出すには、まずは自分自身が周囲の状況を把握できていなければいけない。そういう意味でもSBでプレーした経験は、インサイドハーフでプレーする時にも活きていると思います」

 転機はプロ1年目だった昨シーズン終盤にあった。インサイドハーフやウイングで起用されていた旗手は、J1第32節のサガン鳥栖戦で初めて左SBに抜擢された。

「実は、シーズン途中に自分の頭の中がぐちゃぐちゃになっていた時期があったんですけど、SBをやったことで整理できた部分があったんです。それでも最初はSBをやっているだけというか、こなしているだけでした。それが、徐々にSBでも自分のよさを出せるようになったんです」