大島僚太、進化の1年。3度の優勝で芽生えた日本代表返り咲きへの思い (6ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 自身の経験を還元したいのは、地元・静岡の子どもたちだ。

「僕自身、静岡で育てられましたし、静岡のサッカーがまた盛り上がってほしい気持ちもある。チームメイトの長谷川竜也も静岡出身で、一緒に地元で子どもたちに教えることをやろうと考えています。

 長谷川を見てドリブルが好きになってくれてもいいし、僕のプレーをマネしようとしてくれてもいい。どう感じるかは子どもたち次第ですけど、やることに意味があると思っています。今まではそういうことをやらないタイプでしたけど、プロになって10年が経ち、新しいことに挑戦してみたい気持ちが湧いてきました」

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 もちろん、伝えるだけではなく、自身のさらなる成長も求めている。次なるターゲットはしばらく離れている日本代表へ再び戻ることだ。

「なかなか活動できない状況ですけど、この前の試合を観たりすると、やっぱり日本で一番優れている選手たちが集まる環境だと思うので、目指すべきところです。実際にそこでプレーした喜びも経験していますし、リオ五輪で戦った選手たちが多いので、また一緒にプレーしたい想いもある。

 選んでほしい? そうですね。結果を出し続ければ呼ばざるを得なくなると思うので、それくらいの選手になることが目標です」

 ここ4年で3度の優勝を成し遂げた日本最強チームのナンバー10は、決して現状に満足していない。川崎をさらに強くするために。日本代表で活躍するために。クールな雰囲気とは対照的に、その想いはどこまでも熱かった。

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