家長昭博が作る見事な攻撃の「幅」。
フロンターレは多様性が増した
静寂のなかで行なわれるリモートマッチ(無観客試合)のいいところは、プレーの音がリアルに届くことだろう。味の素スタジアムに響き渡ったのは、「バシッ、バシッ!」とリズミカルに刻まれる川崎フロンターレのパスワークの音だった。
今季導入した3トップの右ウイングを務める家長昭博 2連勝中のFC東京がホームに川崎を迎えた一戦。「多摩川クラシコ」と呼ばれるライバル対決は、よもやの大差がついた。
圧倒したのは、アウェーチームだ。17分の大島僚太のゴールを皮切りに、23分にはレアンドロ・ダミアンが追加点。その後も長谷川竜也が2点を加え、川崎が前半のうちに勝負を決めた。
「クラシコということで、気持ちの入ったゲームをしようと送り出した。前半から自分たちらしい、アグレッシブな戦いをしてくれたと思います」
試合後のリモート会見で、鬼木達監督は、選手たちのパフォーマンスを手放しで称賛した。
一方、敗れたFC東京の長谷川健太監督は「ベーシックな部分で負けてはいけないという話をしたが、球際のところでの軽さや、ゴール前の寄せの甘さもあった」と、敗因をインテンシティの欠如に求めた。
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