大久保嘉人が「中盤をやらせてください」と監督に直訴した理由 (2ページ目)

  • 佐野美樹●取材・文 text by Sano Miki
  • photo by ©TOKYO VERDY


「焦りは、とくにないですね。そういうことはあんまり感じていないかな。まだ1試合しかやっていないし、再開してちゃんと体調が整えばどうにかなるだろうって考えています」

 こちらの心配をよそに、大久保からは頼もしい言葉が返ってきた。いや、むしろそういう言葉を待っていた気がする。

 今年でプロ生活20年目。長いキャリアのなかで何度も移籍を経験してきた大久保にとって、新しい環境に身を置くことへの不安はほとんど持っていないという。

「慣れもあるのかもしれないですね。あとは歳も関係しているかな。もう一番年上になったりしますからね」

 しかし、これほどまでに長い間サッカーから離れた経験はかつてなく、焦りとはまったく違う『気持ち』を維持するのに苦労していたと話してくれた。

「プロ1年目の大事な時期に、今までで一番大きなケガをしたことがあるんです。全治8カ月で、その時も長いブランクになったんですが......ケガと今回とは、また違うんですよね。

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