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大久保嘉人が「中盤をやらせてください」と
監督に直訴した理由 (4ページ目)

  • 佐野美樹●取材・文 text by Sano Miki
  • photo by ©TOKYO VERDY


 自分の努力だけではどうにも状況を変えることができないのが、今回のコロナ禍における難しさだと大久保は話した。

 これまでの大久保のサッカー人生を振り返れば、きつい、つらい経験は数多くあるだろう。そのなかでも自分にとって大きな転機となったのは、スペインへの移籍だったという。

「スペインでは悔しい思いをたくさんしましたから。日本のプレーをそのままやっても、通用しないというか。それでいける時もあったけど、いけない時のほうが多かった。あぁ、これじゃないんだなって思って、プレースタイルも変えたし......すべてが変わりました」

 2004年にセレッソ大阪からスペインのマジョルカに移籍した大久保は、日本にいた時とは違い、思うように試合に出場できないことが増え、もがいた。

 どうやったら試合に出られるようになるのか、監督はどういうプレーを好むのか......。日々悩み、考えながら練習していた大久保にとって、試合に出たいという貪欲な気持ちだけが自分の心の支えであり、モチベーションだった。

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