常識外れの超人フッキ伝説。
JFAやビッグクラブの誘いを次々に断って...

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

あのブラジル人Jリーガーはいま
第4回フッキ(後編)>>前編を読む

 J2で得点王となり、東京ヴェルディの1部昇格の立役者となったフッキ。だがその後、川崎フロンターレに戻ると、関塚隆監督と意見が合わず、苦労することになる。監督は彼をサイドアタッカーとして起用したかったが、本人はCFとしてプレーしたかった。その頃、フッキのもとにはバイエルンからのオファーも来ていたが、古巣の東京Vも彼に興味深いオファーを用意していた。

 フッキは迷った。自分がよく知るチームでヒーローになるか、それともすべてのリスクを冒してドイツのビッグクラブに行くか。フッキは日本に残るほうを選んだ。

現在は上海上港(中国)でプレーしているフッキ photo by Yamazoe Toshio現在は上海上港(中国)でプレーしているフッキ photo by Yamazoe Toshio こうしてフッキはまた東京Vに戻った。その未来はずっと日本にあるように思えた。しかし、戻ったヴェルディではチームメイトのレアンドロと諍いを起こし、柱谷哲二監督ともうまくいかなかった。

 次第にフッキは練習に来ないようになり、浦和レッズ戦で交代させられたことに不満を爆発させると、ついにはブラジルに帰ってしまった。チームはフッキが息子の誕生のために祖国に戻ったと発表したが、彼はもう二度とヴェルディに戻ることはなかった。

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