岩崎悠人「試合が来るのが嫌でした」。札幌での挫折と湘南での成長 (3ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


 京都橘高校時代からストライカーとして全国高校サッカー選手権で名を馳せ、育成年代の日本代表にも早くから選ばれてきた。2017年に京都で迎えたプロ1年目からJ2で35試合に出場。2年目の2018年も33試合でピッチを踏んだ。

 ところが昨シーズン、意を決して移籍した札幌では、先発どころか、出場機会すらろくに得られない日々が続いた。

「初めての挫折だったか」と聞けば、岩崎は大きくうなずく。

「だって、試合が来るのが嫌でしたもん。今までは出場した試合のなかで、これができなかったとか、こうすればよかったという悩みだったので、それ以前の悩みというものはなかったんですよね」

 なんとか自分を鼓舞して前進しようと取り組んだことで、夏場には手応えを感じたこともあった。それでも、岩崎に出場機会が巡ってくることはなかった。

「練習に100%の力で取り組もうとしていましたけど、やっぱり人間なので、なかなか難しい時期はありました。100に保とうとすることに必死だったので、自分のプレーに対して向き合うとか、そこまでの余裕がなかったんです」

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