岩崎悠人「試合が来るのが嫌でした」。札幌での挫折と湘南での成長 (5ページ目)
だが、2019年になり、札幌で出番を失っていくのと並行して、U−22日本代表からも声がかからなくなっていった。
「あ〜、やっぱり試合に出ないと呼ばれへんよなって感じでしたよね」
時に自暴自棄になることもあったが、そんな岩崎を奮い立たせてくれたのが、身近な人たちの存在だった。
「家族やマネジメントをしてくれている担当の人、パーソナルトレーニングをしてくれているトレーナーの人たちが札幌まで来てくれて、その人たちに会うたびに、もっとがんばらなきゃいけないなって思ったんですよね」
札幌の地でひとり生活する岩崎を励まそうと、家族も頻繁に足を運んでくれた。母親がひとりで訪ねてくることもあれば、両親、さらには祖母まで一緒に来てくれたこともあったという。
本当ならば、試合に出て活躍する姿を見せたかった。だが、それが叶わず、「もっとやらなければ」と自分を鼓舞するきっかけになった。
結果的に札幌で過ごした2019年、リーグ戦では8試合の出場に終わった。舞台はJ2からJ1に変わったとはいえ、先発に至っては一度もチャンスが訪れることはなかった。
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