プレミア王者に善戦。デ・ブライネも横浜FMの戦いぶりを称賛 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 フィジカルコンディションの差が出にくい前半はシティが優位に立ち、18分にはロングボールを受けたベルナルド・シウバが右から持ち込んでスルーパス。それを受けたケビン・デ・ブライネは、対面する畠中慎之輔を軸足の裏にボールを通すフェイントで鮮やかにかわし、強烈な先制点をネットに突き刺した。

「これまでに経験したことがないくらい、めちゃくちゃ速いシュートでした」とGK朴一圭が感嘆するほどだった。

 一方の横浜FMもすかさず反撃に転じ、その5分後には三好康児のパスから好機をつくる。仲川輝人とマルコス・ジュニオールのシュートはGKクラウディオ・ブラボに防がれたものの、最後は遠藤渓太が決めて同点とする。その前後には、マルコスがシャペウ(相手の頭上にボールを通す技)でロドリを抜き、仲川はキレのあるドリブルでシティ守備陣を翻弄した。

 同点ゴールの直後には、シティのエース、ケビン・デ・ブライネがフラストレーションを示すように2度もラフプレー。給水タイムには、グアルディオラ監督が審判に外に出るように促されても構わずに、カイル・ウォーカーら守備陣に大きな手振りで修正点を伝えていた。

 現時点でのベストメンバーが揃ったシティが本気になり、アクセルを踏み込んでいく。40分にはデ・ブライネのすさまじいスルーパスに、ラヒーム・スターリングが抜け出してGKとの1対1を制して勝ち越し。

 ただし、時間の経過とともに横浜FMが身体面で優勢に立ち始め、後半には何度も決定機を創出した。それらをモノにできなかったことが大きな差とも言えるが、終盤には完全に主導権を握る時間も。終了間際にルーカス・ヌメチャに3点目を決められたものの、横浜FMは最後まで一歩も引かなかった。

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