安西幸輝は三竿健斗に先を越されて奮起。劇的変化で鹿島入りを決めた (4ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 渡部 伸●写真 photo by watanabe shin

――そのころ、プレミアリーグのウエストハムの練習にも参加していますね。

「はい。2週間いきました。1週間練習したトップチームとは差を感じましたが、U-21チームの練習では18歳の自分でも可能性を感じることができた。2年目、3年目もレギュラーとしてプレーしていくうちに、自分はやれるという気持ちがどんどん大きくなって、やりたいことが多くなり、自己中心的なプレーが増えていったんです。いつでもJ1へ行けるくらいの気持ちだったけど、それは過信だったと思います。だから3年目はケガでもなく、スタメンを外されてしまった。それで気づきました。自分の能力を過大評価しすぎていたって」

――その3年目となる2016年シーズンは、ヴェルディで1年下の三竿健斗選手が鹿島へ移籍加入したシーズンでしたね。

「ジュニア時代からいっしょにやってきた健斗は、U-17ワールドカップのメンバーにも入ったし、アンダーカテゴリーの代表にも招集されていた選手。それが認められたのか、鹿島への移籍が決まりました。しかも、『あの』アントラーズ。強いクラブというイメージしかなかったし、いいなぁという気持ちもありました。あのときは、本当に悔しかったですね。僕のほうが先に(J1へ)行きたかったから。だけど、そんな気持ちも自分を過大評価していたから。それを改めて、意識を変えようと決意したのが4年目だったんです。食事の内容、睡眠時間、ピッチ以外の面で、サッカーへつぎ込む時間を増やしていきました」

――そして、その4年目の終わりに、アントラーズからオファーが届くんですね。川崎フロンターレからもオファーがあったと聞きましたが。

「はい。最初はJ1へ行けるなら、クラブはどこでもいい。というような気持ちだったんですけど、鹿島から声をかけてもらったら、迷わず鹿島へと決めました」

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