2019.05.13

イニエスタの苛立ちにチラつく神戸の迷い。
7連敗で降格圏内が近づく

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 ヴィッセル神戸は、どこに向かっているのか。

 Jリーグ第11節、公式戦6連敗中の神戸がホームに鹿島アントラーズを迎えた。神戸は出場停止の西大伍の代わりに大崎玲央を右サイドバックに入れ、ダビド・ビジャ、セルジ・サンペールが先発。アンドレス・イニエスタをベンチスタートさせた。一方の鹿島は、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)でジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)とのアウェー戦を、30度近い高温と90%近い湿度というなかで戦い、中3日での試合となった。

川崎フロンターレ戦以来の出場となったアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸) 試合は、疲労が心配された鹿島が、立ち上がりから攻守にわたりアグレッシブに出て主導権を握り、立て続けに神戸ゴールに迫った。すると前半17分、左サイドの白崎凌兵のクロスにセルジーニョが右足を合わせ、鹿島が先制する。その後も鹿島はコーナーキックから決定機を作るなど、試合は一方的な展開になった。

 神戸は、鹿島の攻撃に対してブロックを作っていたものの、選手の間をうまく使われ、なかなか攻撃に転じられない。しかも、この試合まで、攻守にわたってチームのために惜しまずスプリントを繰り返してきた古橋亨梧が、ケガのため交代。前半は鹿島が0-1とリードして折り返した。

 後半に入っても、鹿島はFWのセルジーニョ、土居聖真がファースト・ディフェンダーとして前線から積極的にボールを追いかける。なかなかチャンスを作れない神戸は、後半20分に三原雅俊に代えてサイドアタッカーの小川慶治朗を、23分にはサンペールに代えてイニエスタを投入し、勝負に出る。

 鹿島も少しずつ疲れが見え始めるが、レオ・シルバ、三竿健斗を中心にイニエスタに仕事をさせない。神戸がゴール前に迫るシーンでも冷静に対応し、逆にカウンターから決定機も作っていた。

 結局、試合はこのまま鹿島が1-0で逃げ切った。点差以上に力の差は歴然としており、神戸はGKキム・スンギュのファインセーブがなければ3~4点は取られていただろう。これで公式戦7連敗。泥沼にはまったかのように、最下位サガン鳥栖との勝ち点差はわずか3と、降格圏内も見えてきた。