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久保建英が健太流守備で劇的進化。
バルサ復帰へXデーは近づいている (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 久保自身、毎年オフになるとバルサのチームメイトのところを訪れ、旧交を温め、練習にも飛び入り参加しているという。昨年暮れにもユースで練習。コーチングスタッフはその技術の高さに目を見張ったという。

 久保が復帰するXデーは、近づいているのかもしれない。

 もっとも、久保にとって復帰が最高の選択かは、その時期を含めて一考の余地がある。

 バルサ復帰といっても、トップチームではない。当面は、あくまでバルサBでのプレーになる。バルサBは現在2部B(実質3部)に所属。来季に向けて昇格プレーオフ圏内に入れるかどうか、微妙な順位にいるのだ。

 優勝争いを繰り広げるFC東京で、久保は日々進化を遂げている。

 昨シーズンまでは、卓抜とした技術を持ちながら、高いプレー強度のなかでそれを出し切れず、消える時間が多かった。「ユース年代のうまい選手」。その領域を出ていなかった。

 ところが、今シーズンは球際が格段に強くなっている。ボールを失わないし、ボールを取り返せる。守りが安定したことで、攻めの大胆さも出て、大人の選手として成熟しつつある。

「健太さん(長谷川健太監督)が守備だけの練習をするので。建英も、守備のやり方がわかってきた」

 FC東京の選手は、そう洩らしている。バックラインの選手に対し、どうやってはめ込み、ボールを奪い返すか。何度もそれだけを繰り返す、徹底的な守備をトレーニング。そのおかげで、ポジショニングや体の使い方、プレスのタイミングなどを身につけることができた。それは単純に、ボールを巡った格闘のスキルアップにもつながった。

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