久保建英が健太流守備で劇的進化。
バルサ復帰へXデーは近づいている
4月14日、味の素スタジアム。試合前のウォーミングアップから、先発組がぞろぞろとロッカールームに戻る中で、久保建英(FC東京)はおもむろに右サイドへ歩き始めた。
スタッフと何度かパス交換した後、ペナルティエリアに向かってドリブルで入る。"またぎ"を入れ、シュートコースを作ると、左足を鋭く振って、ゴール左隅にボールを巻き込む。フワッと網が揺れ、「おっ」という小さな歓声が洩れた。
久保は満足したように、ゆっくりした足取りでロッカールームへ戻る――。何気ない動作だったが、なんとも様になっていた。
この1年、あるいはたった数カ月で、久保は劇的な成長を遂げている。
今シーズンはJリーグ開幕から7試合すべてに出場。6試合が先発で、右サイドを中心に攻撃の動力になっている。ルヴァンカップでも、サガン鳥栖戦で終了間際に試合を決めるFKを叩き込み、小さな祝祭に導いた。
鹿島アントラーズ戦に先発、勝利に貢献した久保建英(FC東京) この日の鹿島アントラーズ戦も、得点やアシストはなかったが、3-1の快勝に貢献している。攻め込まれるなかで、FC東京はカウンターから2得点したが、どちらもその起点になった。図抜けた技術をベースに、「ポジションとタイミングが求めるプレー」ができるようになっている。
底の知れない17歳は、どこへ向かうのか――。
「バルセロナ復帰」
その流れは現実化しつつある。現時点で、「内定」にまでは至っていない(クラブ側も否定している)が、ひとつの「路線」ではあるだろう。
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