川崎Fは現在チューニング中。
開幕戦ドローで見せた「王者の面影」 (2ページ目)
「外で回される分には、やらせておいて、中に入ってきたところを絡め取って、引っかけてカウンターという感じで、ボールを持たれたらブロックを作って辛抱強く戦えました。ただ、少しでもコースを空けると危ないボールが入ってくるので、そこは警戒していましたね」(FC東京・MF橋本拳人)
前半は、久保建英の左足FKがポストを直撃し、橋本のヘディングがポストをかすめるなど、むしろFC東京ペースだった。
しかし後半に入ると、川崎がむくりと目を覚ました。
細かいパスをつなぎながらスペースを作り出し、さらにそのスペースに人が入って、じわじわと攻める。後半7分、小林悠が右サイドを奥深くまで進入し、マイナスのパス。しかし、これに合わせたレアンドロ・ダミアンのシュートはDFにブロックされた。
直後には押し込んだ流れでバックパスを誘い、これを奪った中村憲剛がシュート。これもGKに防がれたが、後半10分、マギーニョに代わって馬渡が入ると、攻撃のペースはさらに上がった。
「(馬渡)和が入って、高い位置でボールを受けられるようになって、崩しのシーンが増えた」(川崎・FW小林悠)
後半12分のプレーは圧巻だった。サイドで起点を作れるようになって、FC東京が固めていた中央の守備を完全に撓(たわ)ませる。中央でパスを受けた大島僚太は、すばらしいターンから縦にグラウンダーのパスを打ち込んだ。これを受けた中村が、さらにバックラインと駆け引きしていた小林に通す。小林が放った決定的なシュートは、GKにセーブされたものの、川崎らしいコンビネーション攻撃だった。
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