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川崎Fは現在チューニング中。
開幕戦ドローで見せた「王者の面影」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 この後も小林は鋭い動きを見せ、3度決定機を迎えたものの、これを仕留め切れていない。

「どう転ぶかわからない展開だった。後半になって押し込んでからは、自信を持ってプレーできた。いい流れになって、1点を取っていれば......試合を動かせていたと思う」(川崎・鬼木達監督)

 やはり、久々のリーグ戦というのはあっただろう。細かい点で、"チューニングが合っていない"印象だった。調整には、実戦を重ねる必要があるだろう。

「自分は新加入の選手なので、まだわからないところがあって、(プレーの)ズレをすり合わせていかないといけない。今日プレーして、クロスまでいける(選手)、とわかってもらったところもあると思うので」(川崎・DF馬渡和彰)

 ブラジル人新戦力のレアンドロ・ダミアン、マギーニョの2人も、まだ十分にチームと調和していない。彼らだけではなく、各選手のコンディションにもムラがあった。たとえば、昨シーズンMVPの家長昭博は明らかに精彩を欠いていた。この日のようなレベルのプレーヤーではない。

 終盤は双方に疲労も出た。風の影響もあっただろう。また、危険を冒して攻めることで失点するリスクも避けていた。

 川崎は、スコアレスドローで勝ち点1、という結果に終わった。

 王者としては満足できる結果ではないが、現時点では悲観する必要もない。後半、約20分間で示した波状攻撃には、紛れもない王者の面影があった。3連覇を狙うチームのポテンシャルの高さは出た。選手の組み合わせも含めて、試合を重ねるたびにアジャストしてくるはずだ。

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