検索

ゴールへの貪欲さ、得点感覚はいまだ健在。
神戸ビジャはこれだけすごい (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by ZUMA Press/AFLO

 横にドリブルするときも、日本人は大股なんですけど、ビジャはタッチが細かい。GKは気付いたらシュートが飛んでくる感じで、タイミングが読みづらいようですね」

 パスを受ける動き出しも効率的。たとえば外側に膨らんで、オフサイドを回避し、スルーパスを呼び込むプルアウェイの動きでも、ビジャは形にこだわらない。最短距離で足元に強いボールを要求し、ゴールに向かう。

 アメリカ遠征でも、動きそのものは傑出しており、アンドレス・イニエスタからのパスを引き出していた。

「守りも、意外なほど真面目ですね」と渡部は続ける。

「プレスに行くときも、後ろをパッと見て前に行ってくれる。だから、後ろとしてはとても守りやすい。二度追いしたり、GKまで走ってもくれるし、(37歳でキャリアもあるのに)そこまで動けるんだな、という感じです」

 ビジャはそもそも、チームプレーヤーとして名を馳せたFWである。戦術適応力が図抜けて高い。ジョゼップ・グアルディオラが率いた最強バルサでは、センターフォワードタイプで唯一、居場所を見つけた選手(サミュエル・エトー、ズラタン・イブラヒモビッチ、ボージャン・クルキッチなどは放出された)である。

 一方、得点に対して貪欲さは昔から変わらない。10代でまったく無名のクラブから古豪スポルティング・ヒホンに入ると、大人たちに構わず率先してPKを蹴った。そして必ず決めた。以来、ゴールすることによって道を切り開いてきたのだ。

「ダビドのスペイン歴代最多得点は、ダテではないよ」

 リージョは暗示的にビジャが活躍する可能性を言っている。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る