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マリノス、原点回帰で貴重な1勝。
残留争いから抜け出す契機となるか (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

 前半30分には、ブマルが左サイドから絶妙なクロスを上げると、GKの前に走り込んだFW伊藤翔が右足で合わせて先制。1−0で折り返した後半は、さらに前に出てきた柏を巧みにかいくぐってみせた。

 追加点は後半14分、これがまた見事な崩しだった。山中に代わって途中出場していたMF大津佑樹が右サイドを走る伊藤に浮き球のパスを通すと、伊藤がゴール前に折り返す。これをゴール左で受けたブマルは一瞬ためて中央に落とすと、走り込んだMF天野純が左足で決めた。

柏は攻撃を遅らせるどころか、ピッチをワイドに使った攻撃にまったくついていけず、すべてのポイントで対応が後手に回っていた。それほどに横浜FMは、完璧に相手を揺さぶってみせたのである。

 後半27分には、ケニア人FWのオルンガを投入した柏に1点を返されたが、後半33分にはGKとDFの連係ミスをついた伊藤が2点目を挙げて試合を決めた。

 キャプテンマークを巻き、中盤の底から攻撃の起点となるパスを配球し続けたMF扇原貴宏が言う。

「4バックのほうがずっとやってきたこともあって、攻撃の部分ではスムーズにやれるという自信もあった。(4バックに戻すということで)監督からとくに説明があったわけではないですけど、ずっとやってきたこと。このシステムであれば、自分たちで試合を支配できるという自信はある。

 だから、逆に今日は、守備のメリハリを意識した。失点はしましたけど、ボールを奪いにいくときと、いかないときのプレーをはっきりさせたことも大きかったと思う。相手の守備であり、マークをはがすことに関しては、どんな相手であっても自信を持ってやれている。だからこそ、守備でメリハリをつけていければ、勝ち点を積み重ねていけると思う」

 2得点を挙げる活躍で勝利に貢献した伊藤も語る。

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