枠があっても「外国人FWはいらない」というジュビロ名波監督の思惑 (7ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

――現在ジュビロは、勝ち点31の7位。首位との勝ち点差は10です。現状を受けて、多少なりとも最終目標が変わったのではないですか。

「たとえ、現有の倍の戦力があったとしても、それが変わることはないですね。今の我々の目標が『いかに早く勝ち点40を突破するか』であることは、昨季からずっと変わっていないし、目標を上方修正するならば、それを突破してからであるべきですから。あえて順位で言うなら、J1の18クラブをAとBの2ランクに分けたとき、Aランクに入りたい。つまり、9位以内に入りたいということくらいです」

――とはいえ、数字上は優勝も十分に射程圏内です。

「確かに、思ったほど力が抜けているクラブはないですよね。でも、だからといって我々にも優勝のチャンスがあるとは、夢にも思っていません。ジュビロはこの10年くらい、ひとつ勝ったらふたつ負けるというようなシーズンをずっと送ってきています。

 なので、変に優勝を夢見て、届かなかったときに落胆するくらいなら、順位という意味でも、サッカーのクオリティーという意味でも、少しずつでいいから確実に上がっていく快感というものを、まずは今の選手たちに味わってもらいたい。それが今の自分の率直な気持ちです。少なくとも自分自身は全然勘違いもしていないし、何というか......、そんなにこう......、夢を見ることもないですね」

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