福田正博が痛感。フィジカルが弱い
日本代表は、何を磨くべきか (4ページ目)
日本人が得意としない強いフィジカルが求められるスタイルを追求し、「日本人にはフィジカルが足りない」と嘆いたところで、それはないものねだりになってしまう。一朝一夕には改善できない課題をあげつらうよりも、日本人が得意とする部分がさらに伸びて、勝つために積み上げていけるスタイルを模索するべきではないか。
ポルトガルやウェールズといった国々は、テクニカルなサッカーだけを追っても、スペインやドイツにはおよばないことを理解していたはずだ。だからこそ、彼らは自分たちの持ち味を最大限生かせる戦い方を考え、勝つためにそれを実行した。同じように、日本代表も自分たちの武器である「俊敏性」や「規律性」がより生きるスタイルを追求するべきだと私は思っている。
日本代表は9月1日から6カ国によるホーム&アウェーでのW杯アジア最終予選に臨む。本大会出場権獲得はもちろんのこと、2018年W杯ロシア大会に向けて、ハリルホジッチ監督が、約1年におよぶ最終予選の期間に「日本人の特長を生かしたスタイル」を構築してくれることに期待したい。
津金一郎/構成
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
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