福田正博が痛感。フィジカルが弱い日本代表は、何を磨くべきか
日本代表と世界トップレベルの国々との距離は、W杯ブラジル大会以降縮まっているのか--。
先日まで行なわれていたユーロ2016(欧州選手権)とコパ・アメリカ2016(南米選手権)を見て、日本代表は世界トップからこれまでよりも水をあけられたように感じた。同時に、あらためて日本代表は日本人の特長を生かすサッカーを追求することが重要だと考えさせられてしまった。
ユーロではポルトガルが初優勝を飾った photo by Getty Images 今回のユーロ2016は、決勝でフランスを破ったポルトガルが初優勝。コパ・アメリカ2016はチリが、戦前の下馬評を覆してPK戦の末にアルゼンチンを下して栄冠を手にした。両大会ともに優勝国を筆頭に、テクニックに優れたチームよりも、フィジカルを前面に打ち出したチームの活躍が目立ったといえる。
とりわけユーロ2016では、優勝国のポルトガル、ウェールズ(ベスト4)、アイスランド(ベスト8)、北アイルランド(ベスト16)など、フィジカルの強さがクローズアップされるチームが、好結果を残した。
注意してほしいのは、私は日本人が苦手とするフィジカル勝負のスタイルのチームが躍進したから、日本と世界の差が広がったと言いたいのではない。
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著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。