「帰ってきた天才」柿谷曜一朗は、セレッソをJ2から救えるか (2ページ目)
相当な覚悟をもって戻ってきた柿谷。その"エースの帰還"には、チームメイトも一様に喜びの表情を見せた。なかでも、下部組織の頃からよく知るMF扇原貴宏は、柿谷の復帰を誰よりも歓迎した。
「セレッソが好きで、『(J1に)昇格させたい』という気持ちを持った人が戻ってきてくれたことは、チームにとってすごく大きい。その思いが強い選手がひとりでも多くなれば、チームとしてのまとまりも出てくると思う。それに、うちには曜一朗くんみたいなタイプがいなかったんで、戦力的にも大きい。僕自身、曜一朗くんの速い動き出しに合わせてパスを出すタイミングを忘れかけていたんで、調整していかないといけない。他のみんなにとっても、いい刺激になっているし、攻撃のバリエーションも増えると思うので、(柿谷の復帰は)プラスでしかないですね」
宮崎キャンプでは、柿谷はあらゆることに目配りをしていた。セレッソユースの後輩で、ドルトムント(ドイツ)から戻ってきたばかりのMF丸岡満と、練習後に一緒にランニングしてホテルに帰るなど、機会を見ながらさまざまなアドバイスを若手選手に送っていた。
また、練習中は、いろいろな選手に柿谷のほうから積極的に声をかけ、コミュニケーションを図っていた。その際には、柿谷を中心にして笑いが起こるなど、このチームにおける『8番』の存在の大きさを、改めて垣間見た気がした。
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