激戦の優勝争い。不気味なのは3連覇狙う「王者」広島 (2ページ目)
W杯中断前を含めて、リーグ戦はこれで5試合未勝利(3分け2敗)となったが、極めて心配なのは、2試合で5失点という守備だ。33歳を迎えたベテランボランチの森﨑和幸は、厳しい口調でその原因についてこう語った。
「悪い流れになったときに、しっかりつなぐのか、それとも前に運ぶのか、チームとしての判断をきちんと共有しなければいけない。でも今は、それが曖昧になっている。守備もそう。失点シーンを見てもわかるように、人数がそろっていてもやられているし、シュートを打たれるときはだいたいフリーで打たれている。誰がチェックに行って、誰がカバーに入るのか、共通理解がなされていない。失点は、起こるべくして起こっている」
特に問題なのは、リードを奪ったあとの戦い方。さらに点を取りにいくのか、それとも自重するのか、選手個々の対応がバラバラで、相手に付け入る隙を与えてしまった。MF高萩洋次郎が言う。
「(アルディージャ戦の後半は)相手が前に出てきて押し込まれ、DFラインが下がってしまった。そこで、前線は前からプレスに行きたいけど、後ろはプレスに行かずに下がってブロックを作りたい、という感じの対応になっていた。どちらでもいいから、チームとしてはっきりとした対応ができればな、と思う。(逆転負けした)F・マリノス戦でも、試合終盤に似たような状況になった。苦しいときは、必ずしもプレスに行くのがいいとは限らない。だからその辺は、チームとしてもうちょっと擦り合わせていかなければいけないと思います」
そして、指揮官である森保一監督も、失点の多い守備については緊急の修正課題に挙げた。
「球際や、相手との間合いのところで、選手たちの対応が少し緩くなっていると思う。大宮戦の2失点目、相手FWのムルジャにヘディングシュートを決められた場面でも、その周りにいた選手がボールウォッチャーになっていた。相手にしっかりつく、というところは再確認の必要がある」
こうしてみると、サンフレッチェの課題は山積みのように感じられた。しかし、森保監督は意外と深刻にはとらえていなかった。問題視する守備も、「すぐに修正できると思います」と早期解決に自信を見せた。
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