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サッカー日本代表を「母国」イギリスの記者はどう見ているか 「本番を前にいい対戦相手だ」

  • 山中忍●文 text by Shinobu Yamanaka

1995年、日本がイングランドと初対戦したときの観戦プログラム。表紙の絵は蹴鞠だった1995年、日本がイングランドと初対戦したときの観戦プログラム。表紙の絵は蹴鞠だった 3月28日(現地時間)にスコットランドと、3月31日(同)にイングランドと対戦する日本。果たしてサッカーの母国、イギリスの人々はこの試合をどうとらえ、日本代表にどんな印象を抱いているのか。スコットランド、イングランドのジャーナリストに聞いた――。

 3月も後半に入り、2025-26シーズン最後の代表ウィークが訪れる。開幕まで約2カ月半と迫るワールドカップを前に、事実上、最後のテストマッチ2試合。英国における"ホームネイションズ"のうち、本大会出場を決めているイングランドとスコットランドは、「日本戦」が共通項だ。

 ひと足早く3月28日(現地時間)に対戦するスコットランドにとっては、日本戦は今や格上との対戦とも言える。FIFA世界ランキングという格付けに従えば、スコットランドの38位に対し、日本は19位(3月25日時点)。ワールドカップにおける歴史的な「格」でも、もはや上位とは言い難い。

 スコットランドは1954年初出場、過去の出場回数では8対7で上回っているものの、5大会連続で出場した1974年大会~90年大会を含めても、16強入りの経験がない。これに対して日本は、今回が8大会連続出場となるワールドカップで、"5度目の正直"となる16強突破が最低目標だ。

 そんな日本の印象を、ふだんの現場でよく一緒になるベテランのスコットランド人記者、ジュリアン・テイラーに尋ねてみた。

「強いチームとまでは思っていないが、技術レベルの高いハードワーカー揃いの優れたチームという印象がある。以前は、多くのスコットランド人がそうだったように、日本人のサッカー選手自体をほとんど知らなかったのだけどね」

 そう切り出した彼は、セルティック時代(2005~2009年)の中村俊輔に目を開かされたと言う。当時、お膝元のグラスゴーに住んでいたジュリアンは、素顔は市内のライバルであるレンジャーズのファンであったにもかかわらず、こう言っている。

「華奢に思えたが、関係なかった。あれだけのタッチとビジョンがあれば、タックルが飛んでくる前に決定的な仕事ができる。近年、(古橋)亨梧(現バーミンガム/イングランド2部)や、(前田)大然のパフォーマンスも目の当たりにしてきた地元の人々は、もう日本人選手が活躍しても驚かない。実力があるとわかっているから」

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著者プロフィール

  • 山中忍

    山中忍 (やまなかしのぶ)

    青山学院大学卒。1993年に渡欧し、西ロンドンが人生で最も長い定住の地に。イングランドのサッカー界を舞台に執筆・翻訳・通訳に勤しむ。著書に『勝ち続ける男 モウリーニョ』、訳書に『夢と失望のスリー・ライオンズ』、『バルサ・コンプレックス』(ソルメディア)など。英国「スポーツ記者協会」及び「フットボールライター協会」会員。

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