サッカー日本代表は久保建英を招集すべきだったのか バルサ戦でもその重要性を示したが... (2ページ目)
【状態は思った以上に思わしくない?】
久保はゴールライン近くまで侵入し、ドリブルから間合いに飛び込ませず、ミケル・オヤルサバルのシュートを演出している。また、ブライス・メンデスとのワンツーから抜け出し、GKの逆を突いたニアへのシュートはポストを直撃、オフサイドの判定だったが、鋭くゴールに迫った。メンデスが相手からボールを奪ってからのカウンターでは、左のオヤルサバルの折り返しを拾った久保が相手をひとりかわし、左足を振ってシュートをバーにぶつけた。
ヤマルは結果を残したが、久保も決して悪くなかった。スペイン大手スポーツ紙『アス』も『マルカ』も、久保に星2つ(0-3の4段階評価)。ゲームの流れを変える存在だったのは間違いない。
足首の状態が思わしくないなかでも、久保は強大なバルサを脅かしていた。ゴールネットを揺らせなかったことに焦点が当たりがちだが、その直後、バルサのレバンドフスキもイージーな利き足シュートをバーに当てたように、ミス自体は起きるものである。正しいポジションを取って、ボールを呼び込み、コンタクトできている点に着目すべきだ。
久保本人が試合後のコメントで認めているように、足首の状態は思った以上に思わしくないようだ。マジョルカ戦で先発出場し、勝利につなげたのはまさに綱渡りで、バルサ戦も30分間の出場は限界だった。少なくとも、数日間は休養が必要なのだろう。完治させなければ深刻なケガにつながる可能性もあるのだ。
あらためて、久保の重要性が示されたバルサ戦だった。
もうひとつ、ラ・レアルのチームとしてのバルサ戦の戦い方は、敗れたとはいえ、決して的外れではなかった。攻撃的な編成を崩さずに挑み、結果的には押し込まれたが、その姿勢が拮抗した試合展開につながっていた。久保が入ったことで拠点をつくれたし、おかげでスムーズにゴールに迫ることができた。
その点は、森保ジャパン対強豪国にも置き換えられるかもしれない。
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