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サッカー日本代表は久保建英を招集すべきだったのか バルサ戦でもその重要性を示したが...

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 ラ・リーガ第7節、バルセロナ対レアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)の一戦は、2-1でバルサが下馬評どおりの勝利を収めた。

「みんなが、"これぞラミン(・ヤマル)"という姿を目にすることができただろう」

 試合後、バルサのドイツ人指揮官ハンジ・フリックはそう振り返っている。

 スペイン代表アタッカー、ヤマルは交代出場で試合を一変させた。バロンドール投票で2位。すでに世界のスーパースターであるが、異次元と言っていいのか、1対1で相手のディフェンスを置き去りに、右足クロスでロベルト・レバンドフスキのヘディングゴールをアシスト。交代出場後、1分足らずで決勝点を演出した。

 ヤマルは、まだ10代の選手である。だからというわけではないが、プレーが無邪気で遊び心にあふれる。左足のダブルタッチで相手の股を通し、ドリブル突破。子どもがストリートサッカーで遊んでいるような奔放さで、それをトッププロ相手に簡単にできることが瞠目に値する。即興性、創造性で他と一線を画す選手だ。

 バルサは、ハイラインを敷いて攻め続ける。ボールをつなぎ、運び、迫る。そこのコンビネーションに特化してそれを極めたチームで、確実に崩せるアタッカーがいることで、これだけのスペクタクルを見せられるのだろう。ヤマルの輝きはチームに活力を与えていたが、チームがヤマルを輝かせていたとも言える。チームとしての格の違いだ。

バルセロナ戦は後半12分からの出場だった久保建英(レアル・ソシエダ)photo by Nakashima Daisukeバルセロナ戦は後半12分からの出場だった久保建英(レアル・ソシエダ)photo by Nakashima Daisukeこの記事に関連する写真を見る この一戦で、ラ・レアルの日本代表アタッカー、久保建英は、実はヤマルと同じポジション、同じ利き足、同じ立場で、同じ時間帯に途中出場している。9月の代表戦でケガを負い、まだ不安がある状態だというのも同じだった。ピッチに入った時点のスコアも、1-1と同点だったわけだが......。

 バルサ戦で敗者になった久保も、ヤマル同様にゲームチェンジャーになっていたことは間違いない。彼がピッチに入ってからは、ラ・レアルはボールが右サイドで落ち着くようになった。その結果、ゴールに迫る機会も増えた。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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