検索

サッカー日本代表は久保建英を招集すべきだったのか バルサ戦でもその重要性を示したが... (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 日本がワールドカップで強豪国と対戦すれば、ラ・レアルがバルサと戦ったように劣勢を強いられる。しかし極端に、5バックにしたり、パワーやスピードに長じた選手を起用するといった弱者の立場を取る必要はない。弱みを見せれば、むしろ押し込まれる。

 久保が万全だったら、どこかで勝機も作れるだろう。

 それだけに、10月の代表戦で久保を無理して招集する必要はなかった。パラグアイ戦、ブラジル戦は貴重な強化試合だが、久保がいない、という状況はいくらでも考えられる。他のテストに切り替えるべきだった。

 そもそも適材適所ではない5-4-1は、いったん、引き出しに格納すべきだろう。どういう了見で、フランクフルトの堂安律のように欧州トップクラブでウィンガーとして活躍する選手をウイングバックに使っているのか。本来の場所に配置して南米勢と戦うほうが収穫も望めるはずだ。

 話が逸れたが、久保は前回の代表戦で負傷した。もし今回の代表戦でケガが再発しようものなら目も当てられない。日本に毎月のように戻るのは心身ともに負担も大きく、招集のタイミングは考慮に入れるべきなのだが......。

 10月5日、ラ・レアルはラージョ・バジェカーノを本拠地に迎える。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

フォトギャラリーを見る

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る