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サッカー日本代表はなぜゴールを奪えなかったのか 佐藤寿人「守備ブロックを動かす作業は9番の仕事ではない」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

 すでに2026年ワールドカップの本大会出場を決めている日本代表は、アジア最終予選の残り2試合でようやく次のフェーズに移ることができた。そこでやるべきことはもちろん、代表経験の少ない選手を招集して実践でテストすることだ。

 特にオーストラリア戦は、アウェーという環境なだけに注目すべき点も多かった。果たして、どこまで自分たちのサッカーを貫いてゴールを奪えるのか、と。

 しかし結果は、終了間際にゴールを許して0-1の完封負け。日本は高いボール支配率を残しながら、最後までゴールを奪えなかった。なぜ、日本のゴールは遠かったのか。Jリーグ通算最多ゴール記録を保持する佐藤寿人氏に話を聞いた。

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初先発の大橋祐紀にとっては難しい試合だった photo by AFLO初先発の大橋祐紀にとっては難しい試合だった photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る 今回のオーストラリア戦もDAZNのピッチレポーターとして現地に赴き、練習も含めて日本代表の活動を取材しました。

 招集メンバーが大幅に入れ替わったとはいえ、スタメンをあれだけ変えてくるとは、正直、驚きでした。鎌田大地と町田浩樹を除けば、ほとんどが代表経験の少ない選手たちでしたから。

<オーストラリア戦のスタメン>
GK:谷晃生(FC町田ゼルビア)、DF:関根大輝(スタッド・ランス)、渡辺剛(ヘント)、町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ)、MF:佐野海舟(マインツ)、藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン)、鈴木唯人(ブレンビー)、平河悠(ブリストル・シティ)、鎌田大地(クリスタル・パレス)、俵積田晃太(FC東京)、FW:大橋祐紀(ブラックバーン・ローバーズ)

 ただ、試合後の森保一監督の会見でのコメントを聞き、その意図を理解できました。コアメンバーに依存せず、あえて難しい状況のなかで新戦力を試したのは、森保さんらしいやり方だったと思います。

 一方で、オーストラリアは勝ち点3を取りにくるだろうと思っていたのですが、日本での対戦時(2024年10月15日@埼玉スタジアム)と同じように5-4-1の布陣でミドルブロックを作りながら、隙をうかがうという戦い方でした。

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著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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