サッカー日本代表はなぜゴールを奪えなかったのか 佐藤寿人「守備ブロックを動かす作業は9番の仕事ではない」 (4ページ目)
【インドネシア戦での期待は細谷真大】
一方で、これからは対アジアではなく、対世界に目を向けなくてはいけません。アジアと比べて、相手の立ち位置が高くなることを考えれば、前回のワールドカップのように背後を突くことも重要になってくると思います。
その意味では浅野拓磨(マジョルカ)であったり、フランスでは苦しみましたが古橋亨梧(レンヌ)であったり、前田大然(セルティック)のようなモビリティに優れるタイプを1トップに置くことも考えられます。
次のワールドカップは出場枠が増えたことで、対戦相手にもいろんなタイプの国がいると思います。日本がボールを持てる試合もあれば、守りに徹しなければいけない試合もあるかもしれません。
その意味では、戦い方の引き出しを増やさなければいけないですし、前線の手札もさまざまなタイプを用意しないといけない。あらゆる状況にアジャストできるようなスカッドを作っていかなければいけないので、いろんな選手にチャンスが与えられる可能性はありそうですね。
もちろん、ここから新戦力が組み込まれるのはイメージしにくいですし、森保監督は日常の強度を重視しているので、選択肢は限られているとは思います。
5大リーグでプレーする選手がほとんどとなったなかで、今の代表にはより強度の高いところで日常を過ごしている選手たちが多く集まってきています。その人数が圧倒的に増えてきているからこそ、代表が強くなってきたのは紛れもない事実です。
だからといって、Jリーグでプレーする選手にもチャンスがないわけではありません。その意味で、次のインドネシア戦で期待したいのは細谷真大(柏レイソル)です。
今季はクラブでも苦しい時期を過ごしていましたが、ポジションを奪い返して、代表にも久しぶりに戻ってきました。
おそらく、スタートは町野修斗になるのかなと思いますが、細谷はモビリティもありますし、フィジカルを生かして前に出る強さも備えています。強度の高い日常を過ごしている選手に囲まれるなかで、彼がどこまで存在感を放てるか。インドネシア戦ではそこに注目したいですね。
【profile】
佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。
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著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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