サッカー日本代表の5年後はどうなる? 識者たちが考えた2030年ワールドカップのメンバー (3ページ目)
【中村敬斗は三笘薫以上の戦力になっているか】
中山 淳(サッカージャーナリスト)
この記事に関連する写真を見るFW/鈴木唯人(後藤啓介)、久保建英
MF/中村敬斗、堂安律
MF/藤田譲瑠チマ(田中碧)、佐野海舟(中島洋太朗)
DF/小杉啓太(大畑歩夢)高井幸大、冨安健洋(チェイス・アンリ)、関根大輝
GK/鈴木彩艶
さすがに5年後の日本代表がどのようになっているのか、リアリティを持って予想するのは難しいところだが、期待と希望をこめたメンバーを選んでみた。誰が監督になっているかも予想がつかないので、フォーメーションもオーソドックスに4-4-2とした。
まず、GKは現正GKでもある鈴木彩艶。まだ22歳であることを考えると、順調にいけば2030年大会はもちろん、2034年大会、場合によっては2038年大会も正GKを務めている可能性もある。そのためにも、少なくとも2030年大会の頃には常時チャンピオンズリーグに出場するクラブでプレーしていることを期待したい。
DFは、日本サッカー史上最高レベルの冨安健洋が統率。現在はたび重なる故障に悩まされて長く戦列を離れているが、2030年大会時はまだDFとして脂が乗った時期にあたる。とにかく早く負傷の連鎖から脱出し、本来の姿を取り戻してほしい。
その冨安とセンターバックコンビを組むのは、代表初先発となったサウジアラビア戦でもポテンシャルの高さを証明した高井幸大。5年後にどのレベルになっているのか楽しみな逸材だ。もちろん、順調に成長を遂げていれば、チェイス・アンリもポジション争いに加わっているはずだ。
選手層の薄いサイドバックは、順当にいけば右は関根大輝が務める可能性が高いだろう。逆に左は現時点では未知数な部分が多く、あえて若手を抜てき。昨年からユールゴーデン(スウェーデン)でプレーし、レギュラーとして定着している19歳の小杉啓太の成長に期待したい。あるいは、パリ五輪組の大畑歩夢(ルーヴェン)も有力候補だ。
中盤センターは、2026年大会に出場する可能性もある佐野海舟を中心に、現在も代表の常連である田中碧(リーズ)、そしてパリ五輪でキャプテンを務めた藤田譲瑠チマあたりがポジションを争い、そこに若手の有望株として中島洋太朗も加わってきそうだ。
サイドMFは右が堂安律(フライブルク)、左に中村敬斗(スタッド・ランス)を選出。30歳を過ぎた三笘薫がどのような選手になっているのかも興味深いところだが、中村が今以上に成長を遂げているとすれば、三笘以上の戦力になっている可能性は高いと見る。
2トップは、得点力が増していると思われる久保建英が中心になっていなければいけないだろう。もうひとりは23歳の鈴木唯人、あるいは19歳の後藤啓介といった若手の台頭を待ちたいところ。
加えて、まだ柏でプレーしていた2017年当時の伊東純也(スタッド・ランス)が、その5年後のW杯で攻撃の中心を担っていたことを考えると、今回選べなかった選手が2030年のピッチに立っていることにも期待したい。
著者プロフィール
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
中山 淳 (なかやま・あつし)
1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)
◆【画像】サッカー日本代表 識者たちが予想した2026年のメンバー【フォーメーション】
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