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サッカー日本代表の5年後はどうなる? 識者たちが考えた2030年ワールドカップのメンバー (2ページ目)

【ボランチは世代交代が必要なポジションになる】

原山裕平(サッカーライター)

この記事に関連する写真を見るFW/後藤啓介(塩貝健人) 
MF/三笘薫(中村敬斗)、鈴木唯人(高岡伶颯)、久保建英 
MF/藤田譲瑠チマ(佐野海舟)、中島洋太朗 
DF/伊藤洋輝、冨安健洋、高井幸大(チェイス・アンリ)、関根大輝 
GK/鈴木彩艶

 まるで雲をつかむような話ではあるものの、現実と希望を入り混ぜて、5年後の日本代表のメンバーを予想してみた。

 普通に考えれば2030年に26歳から29歳となるパリ五輪世代が中心となるだろう。ここにロス五輪世代がどこまで食い込むことができるか。オーバー30となる東京五輪世代も何人かは残ることになるはずだ。

 当然、監督も決まっていないため、システムはオーソドックスな4-2-3-1を採用。GKはこの先10年は安泰の鈴木彩艶で決まりだろう。カルチョの国で研鑽を積む規格外の守護神は、ビッグクラブ行きも叶えているかもしれない。そうなれば、ますます心強い。

 最終ラインは冨安健洋が中心となるだろう。5年後の大会時には31歳となっており、センターバックとしては経験値が高まり、最も成熟された時期と言える。ケガさえなければ、この男をリーダーに据えたい。そのパートナーにサウジアラビア戦でも堂々たるプレーを見せた高井幸大を配置した。ドイツで経験を積むチェイス・アンリ(シュツットガルト)にも可能性はある。

 右サイドバックは関根大輝に期待したい。現状は代表でチャンスを得られていないが、その高さと攻撃力は大きな武器となるはず。人材不足の左は、31歳となる伊藤洋輝(バイエルン)が5年後もファーストチョイスとして重宝されそうだ。

 ボランチは最も世代交代が必要なポジションだ。遠藤航(リバプール)は37歳、守田英正も35歳となっている。推したいのは藤田譲瑠チマだ。高いボール奪取力と推進力を備え、パリ五輪代表を牽引したリーダーシップも魅力だろう。守備に重きを置けば、佐野海舟(マインツ)も重要な戦力となるはずだ。

 そして最も注目するのは中島洋太朗(サンフレッチェ広島)だ。18歳にして早くも広島の中盤の軸を担う逸材は、欧州移籍も時間の問題と見る。5年後にどこまで上り詰めているのか。期待値は高まるばかりだ。

 中島と同じロス五輪世代からは、1トップの後藤啓介と塩貝健人(NEC)のふたりを選んだ。前者は高さに加え、機動力も備える。後者はパワーとスピードが光る。ともにすでに欧州で日常を過ごしており、飛躍的な成長が望まれる。

 タレント豊富な2列目だが、久保建英と三笘薫を超える人材が思いつかない。久保は29歳と脂の乗った時期に大会を迎え、三笘は33歳となっているものの、世界でも指折りのドリブラーは5年後も日本にとって重要な存在であり続けるはずだ。三笘の背中を負う中村敬斗も引き続き代表に名を連ねる可能性が高い。

 主に南野拓実(モナコ)と鎌田大地(クリスタル・パレス)が務めてきたトップ下は、新たなタレントが求められるポジションだろう。筆頭は鈴木唯人だ。デンマークでゴールを量産するパリ五輪世代は、ビッグクラブ行きも噂されている。レベルの高い環境に身を置き、確かな成長曲線を描くことができれば日本の攻撃をまかせられる存在となるだろう。

 高校を卒業して海を渡った高岡伶颯も、そのポテンシャルを考えれば候補に入れておきたい人材だ。

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