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サッカー日本代表の3バックシステムがどんどん弱くなっていく 森保一監督は対策をしないのか? (3ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi

【勝利の要因は個の打開】

 こうなると、日本の主な前進ルートは両WB(三笘薫、堂安律)経由になるが、ミドルゾーンでは三笘に対してバーレーンの右MFの7番と右SBの5番が、左の堂安に対しても左MFの20番と左SBの23番が数的優位で構えるため、スムーズな前進は不可能だった。むしろ1対2と数的不利なサイドは劣勢なため、日本は前半から三笘と堂安が最終ラインに吸収されて5バックを形成する時間が長くなるという現象が起きてしまった。

 結局、この状況を打開するため、序盤から日本は相手DFラインの背後を狙うロングフィードを多用した。とりわけバーレーンの守備に苦しめられた前半は計10本のロングフィードを供給し、そのうち3バックが7本を記録(伊藤2本、板倉滉3本、瀬古歩夢2本)。しかしその精度は高くなく、成功したのは前半32分の板倉から左サイドの三笘につながった1本だけだった(ただし、三笘が収めた直後にボールロスト)。

 実は、昨年9月の前回対戦時も、同じような現象が起きていた。

今回と同じバーレーンの守備システムを前に、日本がロングボールを多用。序盤はほとんどチャンスを作れずにいたが、日本が上田綺世のPKで先制した直後に、その試合でもバーレーンの右MFを務めていた7番(アリ・ジャファル・マダン)が負傷交代を強いられ、戦況が一変。代わって投入された11番(今回の試合では9番を背負ったエブラヒム・ムバラク・アルハタル)が7番と同じような守備タスクを遂行できず、後半はバーレーンの守備が破綻して日本のゴールラッシュにつながった。

 しかし今回の試合では、同じようなトラブルは発生しなかった。そのため、後半も同じような構図で試合は展開したが、63分に左シャドーに入った鎌田大地が中盤に出入りしたことでバーレーンの守備上の混乱を誘発。また、久保が独力で打開する活躍で1ゴール1アシストを記録し、過去最高とも言えるパフォーマンスを披露して、日本が2-0で勝利を収めることに成功した。

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