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三笘薫のドリブルは、ウイングバックでも単騎突破するワールドクラスの飛び道具 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【三笘の攻撃を後方から支えた町田浩樹】

 堂安律と久保建英がつかず離れずの距離感で、ポジションを入れ替えながら連動して崩していく右サイドに対し、左の三笘は対峙する相手がひとりでもふたりでも意に介さず、単騎突破で直線的にボールを前に運んでいった。ウイングよりも守備の度合いが高くなるウイングバックであっても、三笘は攻撃性を保ち続けた。

「ボール持った時はウイングの立ち位置をとって、高い位置で仕掛けることは求められていました。でも、ロングボールに対してはしっかりと後ろで構えることも考えていました。ウイングバックでも、ウイングでも、やるべきことはチームの勝利に貢献すること。そこは意識しながらプレーしていました」

 三笘のドリブルは、中国のディフェンダーではとうてい太刀打ちできない代物だった。何度もサイドを崩された中国が後半から5バックに変更したのも、三笘の存在が厄介だったからだろう。

 守備意識を持ちながらも、三笘がストレスなく攻撃を繰り出せたのは、3バックの左に位置した町田浩樹の存在も大きかった。町田はロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズでともにプレーした、かつてのチームメイトである。

「彼の左足は素早いボールで足もとに届けてくれるので、より早く仕掛けられることは武器になると思っています。2年前の感じをイメージしながらプレーしていましたし、簡単につけてくれるところと、後ろでの安心感っていうのは、彼ならではのところはある。今日も本当に頼もしかったです」

 頼れる元同僚の後方支援を受けながら躍動した三笘は、52分には南野拓実に斜めのスルーパスを通し、アシストも記録した。

「南野選手は間で受けることもできれば、得点シーンのように後ろから入ってきて前で仕掛けることもできる。距離感が埋まれば自分が仕掛けるっていうことも含め、レパートリーを考えながらうまくやれたと思います」

 その後に再び南野が決め、4点差がついた63分に三笘はお役御免となった。1得点・1アシストという目に見える結果だけはなくプレーの印象度も高く、あらためて三笘の存在感の大きさが浮かび上がった。

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