日本代表、シリア戦は貴重な一戦に ミャンマー戦は「攻撃的3バック」というより「戦術・鎌田」だった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 少なくとも変則的な3バックは不発だった。「本命の左サイドバックが不在で、右サイドバックが余り気味」というなかで生み出した苦肉の策だったのかもしれない。しかし選手同士の距離感があまりに悪く、最後まで答えを見つけられないままだった。2ゴールした中村敬斗の得点力の高さは出色だったが、あくまでそれは彼自身の高い個人戦術によるものだ。

 11日、広島でのシリア戦では選手の入れ替えが予想される。森保監督は主力と新戦力を融合させ、戦術を運用できるのか。ひとりひとりの実力を丁寧に見極めるべき、貴重な一戦だ。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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