パリ五輪でなでしこジャパンをメダルへ導くFWは誰? 昨夏のW杯得点王もメンバー入りへ猛アピール中 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko

【多くのFWが爪痕を残す2連戦に】

 それぞれの思惑が交差した2連戦。攻撃陣最年長の田中美南は、さすがの安定感でビルドアップに貢献しながら、初戦では完璧なコンビネーションで相手を崩し、フィニッシュを飾った。

 そのゴールをアシストした清家は、ウイングバック&トップをこなす。「ラストチャンスに失うものはないです!」と全力でぶつかった千葉、初めて3トップの中央に入った藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)も揃ってゴールを決めた。

 決定機を外してはしまったが、スーパーリーグ(イングランド)では終盤にゴールを重ねて自信をつけている植木理子(ウェストハム)。熾烈を極めたアピール合戦は多くの選手が爪痕を残す形となった。

 連戦&移動&暑さのパリ五輪本大会で、池田太監督がゲーム作りとポイントゲッターのどちらに重きを置くかで、攻撃陣の枠数が決まるだろう。最後の巻き返しに期待を寄せるか、過去の実績に信頼を寄せるか――池田監督の嬉しい悩みは、最終メンバー決定直前まで続きそうだ。

著者プロフィール

  • 早草紀子

    早草紀子 (はやくさ・のりこ)

    兵庫・神戸市生まれ。東京工芸短大写真技術科卒業。在学中のJリーグ元年からサッカーを撮りはじめ、1994年からフリーランスとしてサッカー専門誌などに寄稿。1996年からは日本女子サッカーリーグのオフィシャルカメラマンも担当。女子サッカー報道の先駆者として、黎明期のシーンを手弁当で支えた。2005年より大宮アルディージャのオフィシャルカメラマン。2021年から、WEリーグのオフィシャルサイトで選手インタビューの連載も担当。

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