中村憲剛と佐藤寿人が感じた日本代表のもろさ「前線、中盤、最終ラインの思惑が少しずつズレていた」 (5ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

 その3日間では細かい戦術的なトレーニングはやらなかったんですけど、ベースのところはしっかり落とし込まれていたし、雰囲気もよかった。元日のタイ戦を見ても、ああいうトレーニングをするとこうなるんだなっていうところがわかったので、僕のなかでは腑に落ちるところがあったんです。

 だから、あの時はすべてのメンバーがいたわけではないですけど、アジアカップも期待できそうだなと感じていた。しかし結果を見ると、やはり親善試合と国際大会とではいろいろなことが違うんだなと。選手もそうだし、スタッフも含めて難しい部分はあったのかなと感じますね。

寿人 コンディション的にもよくなかったですよね。暑さはなかったですけど、ケガ人もいましたし。シーズン中ということもあって、各々の状態に差があった気がします。

憲剛 (板倉)滉も1カ月以上離れていた状態で合流したし、(三笘)薫もケガが完治していなかった。伊東純也の件も含め、心身ともに足並みが揃わない状況は、外から見ていてももどかしかったです。

(中編につづく)

◆第19回・中編>>「GK問題」に見る世代交代の必要性「パリ経由でひとりでも多くA代表へ」


【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。

佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。

★中村俊輔選手との鼎談全文(合計33ページ)収録★
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「中村憲剛×佐藤寿人 日本サッカー向上委員会」が一冊の本になった!

 書籍名は「ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話」

 ふたりが願う「日本サッカーのさらなる向上」を実現するため、さまざまなテーマに沿って対談形式で本音をぶつけあう。また、カタールワールドカップ直前企画として「ふたりの思い出のワールドカップこぼれ話」、さらにはふたりが熱望した元日本代表MF中村俊輔選手を招いて豪華な「スペシャル鼎談」も収録。プロとして20年近く現役を続けられたふたりの言葉は、「サッカー以外の人生」にもきっと役に立つ。

<中村憲剛さんからのコメント>
「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」

<佐藤寿人さんからのコメント>
「僕らはスポーツの世界で経験してきたことを話していますけど、それをうまく変換して『自分事』として捉えていただき、それぞれの環境で生かしてもらえたら。サッカーをやってきたなかで学んだことは、人生にも役立つんです」

【書籍名】 ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話
【発 行】 集英社
【発 売】 2022年11月14日(月)
【定 価】 本体1,700円+税

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著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

【写真】サッカー熱上昇中!TBS御手洗菜々アナウンサー・インタビューカット集

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