U-22日本代表のGK争いは横一線 滑り込んできた藤田和輝は「パリの椅子のひとつはアイツで確定」と冷静 (5ページ目)
そういう(自分に自信が持てない)ところを変えていかなきゃいけないなって思うし、実際に(パリオリンピック出場が)現実味を帯びてきているし。(アルゼンチン戦で)"1軍"のメンバーに入って試合にも出られたことで、絶対にパリに行くんだって、今は本当に思えるようになってきました。パリへの思いは、昨年に比べたら、より一層強くなったと思います」
── 新潟時代の同期である本間至恩選手をはじめ、同世代の海外移籍が増えてきました。藤田選手も意識しますか。
「まったくしないです(笑)。僕は今年、やっとJ2で1年出られただけ。1年"しか"出ていないんです。だから、まずはJ1で活躍できるようにならないと。そうなった時には、もっと上で(やりたい)という気持ちになるかもしれないですけどね」
── 当面の目標であるパリオリンピック以降、どんな目標を思い描いていますか。
「やっぱりワールドカップに出場するような、A代表に選ばれるような、そういう選手にはなりたいですけど......、でも、それよりも今一番思っているのは、新潟で活躍したいということ。
こうやって栃木にお世話になっていますし、だから栃木で結果を出したいし、恩返しもしたいと思ってやっていた。でも、やっぱり新潟は自分が育ったクラブなので。外から見ていて、一緒にやっていた仲間が試合に出ていてうらやましいし、自分もそこでプレーしたいとあらためて感じるようになりました。
もちろん、今後のことはわかりませんけど、どこかほかのクラブから高額のオファーが来ましたとか、海外からオファーが来ましたとか、そういうことを考えるよりも、まずはもう一回、新潟でプレーして活躍したい。今はそう思っています」
<了>
【profile】
藤田和輝(ふじた・かずき)
2001年2月19日生まれ、新潟県新潟市出身。幼稚園の頃からアルビレックス新潟のスクールに通い、下部組織を経て2019年にトップチームに昇格。2020年に一度はレギュラーを掴むもその後はポジション争いに苦しみ、2022年に栃木SCへ期限付き移籍。2024シーズンは期限付き移籍でジェフユナイテッド市原・千葉でプレーする。日本代表は2023年11月に行なわれたアルゼンチン代表戦で先発出場を果たす。ポジション=GK。身長186cm、体重82kg。
著者プロフィール
浅田真樹 (あさだ・まさき)
フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。
【写真】藤田譲瑠チマ、斉藤光毅、チェイス・アンリ…パリ五輪での活躍を目指すサッカー日本代表選手たち
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