アルビレックス新潟で「調子に乗って」ポジション喪失 GK藤田和輝はいかにして新天地で日本代表まで上り詰めたのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

── プロになれると思っていなかったのに、突然トップ昇格を伝えられた、と。

「本当にそうだったと思います。同期の本間至恩や岡本將成(現・鹿児島ユナイテッドFC)が『絶対にプロになって海外で活躍してやる!』って言っているのを聞いても、『お前ら、スゲえな』みたいな感じでしたからね。もう"あきらめていた"に近い感覚だったと思います。僕は当時、サッカーでがんばって、いい大学に行って、いい会社に入ろうと思っていたので(笑)。オファーをもらった時は、まさかでした」

── それでも最後はプロ入りを決断した。

「アルビからも、大学からも、『この日までに決めてほしい』って言われていたのを延ばしてもらっていました。親はやっぱり(プロ入りを)心配していましたからね。

 でも、一度きりの人生だし、誰もがそういうオファーをもらえるわけじゃない。最後は『せっかくもらえたんだからやってみよう』と思いました。大学に行ったからといって、4年後にオファーがあるとは限らないし、『あの時、やっておけばよかった』って思うくらいだったら、ダメで後悔したほうがいい。そう思ってチャレンジしようと決めました」

── これまでプロとしてやってこられた自分の強みは、どこにあると思いますか。

「僕がGKになったのは小学生の時なんですけど、当時はチームにGKがいなくて大会ごとに回していたんです。それで僕の番になってやってみたら意外とよくて、上の学年の大会にも出られるようになった。それがめちゃめちゃうれしくて(笑)。

 それまではFWだったけど、試合に出られるならGKでもいい。そこですかね、自分の強みと言ったら。

 今でも、特別ビルドアップがうまいわけじゃないし、誰よりも1対1に強いわけじゃないけれど、絶対に試合に出たいとか、試合で結果を残すんだっていう思いなら誰にも負けない。目の前にある目標に対する執着心は人一倍あると思っています」

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