町田ゼルビア快進撃に不可欠なルーキー、平河悠は大学まで無名の存在「高校卒業後は普通に就職するつもりでした」 (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

── プロ1年目も終わりに近づいていますが、シーズンを通して試合に出続けたからこそ感じたこともあるのではないですか。

「大学時代と違いレベルがかなり高いので、点を獲ることの難しさや、獲れないことの悔しさは、今年一番痛感しています。

 ただ、そういう時でもブレずに自分の特長を出し続けることが、試合に出るためにはやっぱり大事なこと。1年目からこれだけ試合に出させてもらって、こういう経験ができていることに感謝して、自分の実力をつけていくしかないと思っています」

── プロになれるわけがないと思っていた高校生が、いよいよ来季はJ1でプレーできるところまで来ています。

「楽しみですね。たまたまじゃなく、自分が過信せずに少しずつ実力をつけてきた分、それが自信につながっている。これからもそれを毎日積み上げていけば、J2、J1、さらにその先っていうのも達成できると思うので、あまり先を見ず、目の前の試合や練習にこだわっていくことが大事なのかなって思います」

(後編につづく)

◆平河悠・後編>>U-22代表選出に驚き「パスポートを初めて作った」


【profile】
平河悠(ひらかわ・ゆう)
2001年1月3日生まれ、佐賀県鹿島市出身。佐賀東高3年時に出場したインターハイでのプレーをきっかけに卒業後は山梨学院大に進学。東京都1部リーグで3年連続得点王に輝く。在学中にFC町田ゼルビアの特別指定選手となり、2021年12月のアルビレックス新潟戦でJリーグデビュー。昨年はU23アジアカップ予選に出場するU-22日本代表メンバーに選ばれた。ポジション=FW。身長171cm、体重68kg。

著者プロフィール

  • 浅田真樹

    浅田真樹 (あさだ・まさき)

    フリーライター。1967年生まれ、新潟県出身。サッカーのW杯取材は1994年アメリカ大会以来、2022年カタール大会で8回目。夏季五輪取材は1996年アトランタ大会以来、2020年東京大会で7回目。その他、育成年代の大会でも、U-20W杯は9大会、U-17W杯は8大会を取材している。現在、webスポルティーバをはじめとするウェブサイトの他、スポーツ総合誌、サッカー専門誌などに寄稿している。

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