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世代屈指のボランチ田中聡が代表落選でこぼした本音。「勝ってほしいと素直には思えませんでした」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

---- 中止うんぬんの前に、そもそも自分が出場するに実力が足りていなかった、と。

「そうですね。湘南でいいプレーしているから代表にも選出してもらっていたわけですけど、でも、いざ代表へ行くと、自分の特長やパフォーマンスが全然出せなくて。周りの選手にも本当に迷惑かけていたと思います」

---- 今年に入ってU−21代表にも選ばれていますが、そこでの気持ちに変化はありますか。

「U−20代表当時よりは多少は慣れてきましたけど、まだ緊張とか、不安はあります。湘南でプレーしているのと、U−21代表でプレーしているのとでは、自分的にはけっこう違っていて、代表では思うようなパフォーマンスがあまり出せていないのを感じています。

 湘南では活躍できても、代表に選ばれると活躍できないとなると、もちろん、すごく悔しいです。だけど正直、なんで選ばれているんだろうっていう気持ちがありながらプレーしているって感じです」

---- 代表になると力を出し切れない感覚は、U−21代表以前からあったものですか。

「自信を持って代表に行ったことは、今までないです」

---- とはいえ、U−17ワールドカップではハツラツとプレーしていたように思います。当時の森山佳郎監督は田中選手の性格や特長を理解したうえで、役割をうまく整理し、明確にしてくれていたということでしょうか。

「そのとおりですね。森山さんは守備や球際のところを買ってくれていたと思います。自分でも攻撃ができないことを理解していましたけど、チームメイトも『お前は守備に徹してくれればいい』と言ってくれましたし、攻撃のことを考えず、もう本当に守備だけっていう感じでやっていました」

---- U−21代表として今年3月のドバイカップにも出場しました。U−21代表の大岩剛監督が目指すサッカーについては、どう感じていますか。

「すごくおもしろいサッカーですし、自分もフィットしたらいいんだろうなって思っていますけど、ドバイカップでもそこまで手応えはなかったですし、信頼関係も作れなかったと思うので。不安というか、まだまだ足りないって実感しています」

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