世代屈指のボランチ田中聡が代表落選でこぼした本音。「勝ってほしいと素直には思えませんでした」
サッカー日本代表「パリ世代」インタビュー03
田中聡(湘南ベルマーレ/MF)後編
日本代表の歴史を振り返ると、いつの時代にもボール奪取能力に優れたボランチが、必ずと言っていいほど存在してきた。戸田和幸、服部年宏、明神智和、今野泰幸、山口蛍など、その名を挙げ始めたらキリがない。現在で言えば、遠藤航がまさにそれに当たる。
そんなボールハンターの系譜を継ぐべく、J1で腕を磨くのが、湘南ベルマーレの田中聡だ。
2019年にU−17ワールドカップに出場したのをはじめ、年代別日本代表に何度も名を連ねる田中は、世代屈指のボランチに成長。それでも現状に決して満足することなく、時にもがき苦しみながら日々成長を続けている。
◆田中聡@前編はこちら>>日本代表に上り詰めるまで。昨季は「ボールに触るのが怖かった」
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田中聡(湘南ベルマーレ)2002年8月13日生まれこの記事に関連する写真を見る---- 今度は年代別の日本代表の話を聞かせてください。田中選手は2019年のU−17代表で初めて年代別代表に選ばれています。
「(2018年の)国体で神奈川県選抜に選ばれて、大会中も『代表のスタッフが見に来ているよ』っていうことが話題になっていました。その当時、自分の調子もよかったので、入れればいいなっていう気持ちはありましたけど......、でも、実際に選ばれてみると、すごくうれしかったのと同時に、本当に入れたんだっていうビックリした気持ちもありました」
---- 選ばれる以前、自分と同年代の日本代表をどう見ていましたか。
「選ばれたいとは思っていましたけど、毎回メンバーや試合の結果を確認することはなかったです。そこまで執着心はなかったですね」
---- では、チームが2018年のアジアU−16選手権で優勝し、翌年のU−17ワールドカップに出場が決まっても、「本番は自分が出てやる」という気持ちは......。
「全然なかったですね(笑)」
---- それでも2019年に代表メンバーに入って、いざ候補に選ばれてみると、気持ちは変わりましたか。
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