明神智和が明かす20年前のトルコ戦の悔恨。違う結果になったかもしれないワンプレー (2ページ目)
はたして、フランス人指揮官がトルコ戦に送り出した2トップは、三都主と西澤明訓の組み合わせ。ともにこの大会初先発だったばかりか、西澤はこれがワールドカップ初出場だった。
しかし、4年にわたってトルシエ監督と行動をともにしてきた選手たちは、指揮官の"奇行"にも慣れっこだった。
「練習の時には驚きがあった」という明神も、「西澤さんはずっと一緒にやってきていますし、アレックスをどう生かそうかなと考えるくらいで、特別にその......、この2トップになったから、すごく不安を抱えて試合に臨んだわけではなかったです」。
トルコ戦では西澤明訓(後列右から3番目)と三都主アレサンドロ(前列左から2番目)の2トップで臨んだ日本代表この記事に関連する写真を見る それ以上に、この試合で明神の印象に残っているのは、「グループリーグで戦ってきた3チームよりも、トルコはレベルが高く、うまく試合を進められてしまった」ということだ。明神が続ける。
「それまでの3試合に比べて、個人個人の力が高かった。技術、判断、フィジカルとすべてがしっかりしていたし、それにプラスして、試合運びのうまさもあった。トルコは結局、3位になっているわけですから、力があるチームだったんだなと思います」
試合は前半早々にして、トルコペースへと傾いた。
前半12分、日本はミスから与えたCKで失点すると、「時間が結構残っていたので、焦りはなかった」ものの、日本はボールを保持するだけで、これといったチャンスが作れない。時間の経過とともに、トルコの術中にハマっていった。
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