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U-24日本代表、キーマンは「成り上がり組」。本来出番はないはずが存在感を増している (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

ホンジュラス戦、スペイン戦でも先発し、存在感を示した林大地ホンジュラス戦、スペイン戦でも先発し、存在感を示した林大地この記事に関連する写真を見る 当初バックアップメンバーだった林は、誰か他の選手にアクシデントがない限り、本番のピッチに立つことができない立場だった。

 しかし、登録メンバー枠の拡大が発表されるや、FW上田綺世がケガによる別メニュー調整を続けていたこともあり、林は本大会直前のホンジュラス戦、スペイン戦でいずれも先発出場。そこで単なる代役以上の働きを見せた。

 自らのボールキープからシュートまで持ち込む力強さに加え、日本の武器である久保、堂安ら、2列目のアタッカー陣とも良好なコンビネーションを築く。もはや代役どころか、一躍、主戦FW候補に名乗りを上げたと言っていい。

「今回(登録メンバーが)22人になったことでより、(出場の)チャンスが広がった。でも、ベンチに入るのは18人。試合に出られるのは11人。この短い期間でさらに(自分の)立ち位置をグッと上げていかないといけない」

 大会直前のキャンプ中にはそんなことを話していた林だが、まさに有言実行の活躍である。結果的に、スペイン戦の後半には上田も実戦復帰を果たし、五輪本番には間に合った。だが、ここまで上田不在の不安をそれほど感じさせなかったのは、ルール変更によって登録メンバー枠が拡大されたこと。そして、林がそれを生かしたからこそだ。

 本来バックアップメンバーだった林の活躍は、いわばうれしい誤算。このまま林をFWの軸として大会序盤を戦い、その後は上田、あるいはFW前田大然にスイッチする。決勝まで中2日で6試合(決勝のみ中3日)をこなす過密日程を乗り切るには、選手のローテーションが不可欠なだけに、そんな選手起用もありうるだろう。

 もちろん、林が大会を通して主軸として活躍し続けてくれるなら、それはそれで歓迎すべきことだ。

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