U-24日本代表、キーマンは「成り上がり組」。本来出番はないはずが存在感を増している

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 日本が五輪史上初の金メダル獲得を目指す、男子サッカーの戦いがいよいよスタートする。

 7月22日に行なわれるグループリーグ初戦、日本の対戦相手は南アフリカだ。

 現U-24代表世代にとって南アフリカは、2017年U-20ワールドカップでもグループリーグ初戦で対戦しており、日本が2-1と逆転勝利しているゲンのいい相手である。

 久保建英からパスを受けた堂安律が決勝ゴール。4年前と同じ、そんな痛快なシーンが繰り返されるかもしれない。

 南アフリカの選手に新型コロナウイルス感染の陽性者が出たことについても、日本の選手たちには、まったくと言っていいほど気にする様子はない。MF遠藤航が「無事に開催されることを祈っているが、僕らができるのは、試合があると思って最大限準備すること」と言い、「そんなにみんな気にしてる感じではないので心配していない」と話すとおりだ。

 試合開催の可否について自分たちでどうすることもできない以上、気にしても仕方がない。そんな心境なのだろう。MF久保建英も「しっかり自分にフォーカスしていこうかなと思う」と話すように、選手たちが動揺することなく準備に集中できているのは頼もしい限りだ。

 その一方で、日本にとっては思わぬ助けとなっているのが、大会直前のルール変更である。

 当初の規定では、各チームが登録メンバー18人+バックアップメンバー4人を決め、バックアップメンバーは登録メンバーにケガがあった場合のみ、入れ替えられることになっていた(一度登録メンバーから外れた選手は戻れない)。

 ところが、日本が登録メンバーとバックアップメンバーを発表したあと、バックアップメンバーとの区別がなくなり、登録メンバーが22人に変更となったのである。1試合のベンチ入りメンバーは18人と変わらないが、試合ごとにベンチ入りメンバーを入れ替えることは可能。つまり、大会を通して22人をフル活用できるようになったのである。

 このルール変更によって一気に存在感を高めているのが、FW林大地だ。

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