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U-24日本代表メンバーの選考で見る金メダルへの本気度。キーマンは旗手怜央だ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

◆スペイン人指導者から東京五輪代表への助言。「常に攻守のバランスを」>>

 U-24日本代表でも、今年3月に行なわれたアルゼンチン戦で、左SBとしてスタメン出場を果たす。森保監督は鬼木監督のアイデアを拝借したわけだが、五輪チームでもこれがはまり役となった。

 もともとは4-3-3のウイング、あるいはインサイドハーフだ。先述のアルゼンチン戦(第2戦)では、短い時間ではあったが4-2-3-1の1トップ下でもプレーしている。左SBに加え、CF以外ならアタッカーとしてどこでもこなす万能型。守備的MFも行けそうな、まさに"カメレオン・プレーヤー"である。

 三笘も欠かせない選手だが、左ウイングの専門性が高そうな彼より、旗手こそが、中2日で6試合を戦うつもりでいる今回の五輪チーム(U-24日本代表)を象徴する、コンセプトに適合した看板選手と言えるのではないか。彼が試合の流れの中で、ピッチ上をどう推移するか。それが意外性に富むほど日本の成績は上がると見る。

 多機能型選手の重要性を最初に説いたのは、1998年フランスW杯でオランダをベスト4に導いたフース・ヒディンクだ。1998年大会といえば、選手交代枠が2人から3人に増えた最初のW杯として知られるが、それが今回の東京五輪では5人制で行なわれる。五輪ではもちろん初めての体験となるが、1年5カ月後に迫った2022年カタールW杯本大会でも、この5人制は採用される。

 選手にはいっそう多機能性が求められることになった。他方、監督には彼らをやりくりするセンスが求められている。今回のメンバー選考で多機能性を重視した森保監督に、彼らを使いこなす力、センスはどれほどあるか。

 金メダルという結果も重要だが、2022年11月を見据えれば、成績とともに采配力も問われる。五輪とW杯とで、選手は大幅に入れ替わるだろうが、監督が代わらないとなれば、選手より監督に対するチェックは厳しくする必要がある。でないと、落選した選手は浮かばれない。

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